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サンエイコラム
Column

2020.11.23

しっかり換気をするために、換気について理解しよう。

実は法律が改正されるほど以前から重要視されている換気ですが、換気について理解し、換気をしっかりと行っている人は少ないかもしれません。今回は理解しておくと得する換気についてをご説明します。

換気イメージ
換気イメージ

なぜ換気が必要なのか?

換気とは文字通り「空気の入れ替えを行うこと」です。家屋をはじめとした建築物には必ず空気を取り入れる給気口と、空気を排出する排気口が存在し換気ができるようになっています。2003年に定められた改正建築基準法によって24時間換気システムまたはそれ相応の条件を満たす環境整備が原則義務化されています。なぜ義務化されるほど換気が重要視されているのかというと、現代の気密性の高い住宅は空気がこもりやすいから、そしてそれらが原因で人間の体に害(シックハウス症候群)を及ぼしてしまうからです。
シックハウス症候群が社会問題となってから原因物質を含む接着剤などは使用されなくなってはきましたが、家の中にいると鼻水が出たりなんとなく体調が悪いけれど外へ出ると症状が軽くなったり消えたりするといった場合は、屋内環境が原因である可能性が高いためしっかりと換気を行って空気を入れ替えましょう。

シックハウス症候群

一度は聞いたことがある「シックハウス症候群」は医学的に特定の病気のことを指すのではなく、住居(ハウス)に由来する様々な健康障害(シック)のことを指します。建物の気密性が高まった関係で揮発性の化学物質による屋内の空気汚染が引き起こされやすくなったり、湿気が溜まりカビやダニなどが繁殖しやすくなっていることが原因と考えられていますが、実際どのようなメカニズムで引き起こされるのがまだよくわかっていません。

24時間換気システム

改正建築基準法によって設置が義務付けられた換気システムのことで、簡単に言うと「窓を開けてなくても換気される仕組み」のこと。家の空気を1時間に半分入れ替えます。居室の壁についている丸や四角の給気口から空気を取り入れ、扉の下に開いている隙間を通って廊下を抜け、トイレやお風呂、屋根裏部屋などに設置された換気扇(排気口)から排出します。トイレやお風呂など臭いや湿気のたまりやすい場所に設置されている換気扇が24時間換気システムの排気口を兼ねている場合もありますが、別で設けられている場合もありますので一度確認してみるとよいでしょう。
このシステムはさほど電気を消費しませんので基本的に24時間つけておくことが望ましいですが、雨や風の強い日(台風の日等)や屋内外の寒暖差が激しく部屋の温度が不快に感じる場合等は停止しても問題はありません。ただし、あくまでこれらはカビやダニの繁殖の防止、空気汚染の防止、健康被害の防止が目的として取り入れられているシステムですので、つけておくのが望ましいということは頭に入れておいてください。

換気には種類がある

基本的に24時間換気のシステムを稼働させておけば一時間に半分の空気は入れ替わることになっています。臭いや湿気の発生しやすい場所には別に換気扇が設けられます。自分たちの住む住宅や過ごすオフィス・事務所がどのような換気システムを導入しているのか、その仕組みを理解して効率的に換気をしましょう。

機械換気とその仕組み

機械換気とは換気扇などの動力を使用して行う換気のことです。
第一種換気方式
給気および排気の両方を換気扇などの機械を用いて行う換気方法で、最も確実な換気を行うことができます。
メリットとしては空気の流れを制御することができること。また高機能換気扇を用いることで屋内外の温度差が激しい場合でも入ってくる空気がある程度調節されたり、屋内の換気状況に応じて換気量を調整することが可能なことです。
デメリットとしては給気と排気の換気扇が必要となるため消費電力も2倍になること。大掛かりな換気システムのため設置にもコストがかかりそれなりの高い気密性が求められることです。
第一種換気方式はビルなどの窓が開けられない建築物や、店舗や事務所などの人が集まるためしっかりとした換気が必要な場所に採用されていることが多いです。もちろん高気密な設計の住宅に組み込まれていることもあります。

第二種換気方式
給気を換気扇などの機械を用いて行う換気方法で、屋内の汚れた空気を押し出すように換気します。
メリットとしては給気口以外からの空気の流入を多少防げるということと、常に新鮮な空気が屋外から入ってくることです。
デメリットとしては屋内、特に壁の中に結露が発生しやすい事です。
第二種換気方式は屋外の空気を強制的に取り込むため、冬の時期の冷たい空気や湿気の多い空気も取り込んでしまいます。そのため住宅では採用されず、例えば工場のクリーンルームや手術室などの特殊な場合に採用されています。

第三種換気方式
排気を換気扇などの機会を用いて行う換気方法で、一般的に導入されている換気方法です。
メリットとしては最も安価で施工が簡単であるということ、第二種とは違って吸い出すことで換気を行うため湿度や臭いなどを確実に屋外に排出することが可能です。
デメリットとしては気密性が高い場合は玄関ドアが開けにくくなる場合があること、また給気口から屋外の空気が入ってくるため、寒暖差が激しい真夏や真冬などは空調の効きが悪く感じられることです。
第三種換気方式は一般の住宅をはじめとして多くの建築物に取り入れられています。

自然換気とその仕組み

自然換気とは換気扇などの動力を使わない自然に行われる換気のことです。窓や扉を開け、風や温度差を利用して換気します。
メリットとしては換気扇を使用しないためエネルギーが不要でお手軽なこと、デメリットとしては換気をコントロールすることができないということです。

高機能換気扇

第一種換気方式で使用される設備で、様々な機能を有している高機能な換気扇のこと。一台の機械で給気と換気をコントロールすることができます。そして高機能換気扇の特徴として挙げられるのは「熱交換」の機能です。
例えば冬、換気によって屋外から冷たい風が入ってきてしまい温められた空気が排出されてしまいます。しかしこの熱交換機能は空調によって温められた屋内の空気の熱を使って屋外から取り込む空気を温め、温度差を軽減してから取り込むことができます。これによって空調費を節約することができ省エネにつながります。

換気が重要なのは今だけではない

今の時期はコロナによって換気が注目されていますが、本来は毎日、年間を通して常に大切なことです。快適に暮らすため、健康のため、また建築物のためにとても重要な役割を担っています。湿度や空気汚染を引き起こしている物質、臭いや熱気などを家の中に留めておかないようにするために換気をしっかりと行いましょう。

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