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サンエイコラム
Column

2020.11.09

排気するだけが換気扇ではありません – 給排気コントロールで快適空間を –

コロナの影響によって換気に関心を持つ方が増え、換気扇増設のご相談をいただくことが増えてきました。今回は室内環境を改善するために換気扇を増設したお客様のリフォーム内容と、換気についてご紹介します。

浴室内に設置された給気型換気扇
給気のための換気扇

熱中症になりそうな浴室

今回ご相談をいただいた介護施設のH様のお悩みは「浴室の暑さ」。特に外気温の高い夏季は、窓を開けて換気扇や送風機を使用しても入浴を介助するスタッフが倒れそうなほど暑くなってしまうそうです。
この施設の浴室には排気用の換気扇が1つしかなく、浴室として必要な換気量は満たしていても介助者が倒れてしまいそうなほどの熱気を防ぐことはできていませんでした。

2役の換気扇を設置

そこでサンエイは2役の換気扇の設置をご提案させていただきました。

浴室内の空気を外へ排出する換気扇

1つ目は浴室内の空気を外へ排出する換気扇です。現状1つしかない屋外へ排気する換気扇を増設することで浴室内の暑い空気を外へしっかりと排出します。
一般的に導入されている換気は、換気扇によって機械的に排気を行い開いた窓や扉の隙間などから自然と給気を行う「第三種機械換気」というものです。この方法は屋内外の気圧の差を利用しているため排気を強化することで給気も増えます。今回は大きな浴室に対して換気扇が1つだったため、増設することで排気を強化しました。

隣接した部屋から空気を取り込む換気扇

2つ目は隣接した部屋の空気を取り込む換気扇です。
第三種換気は屋外の空気を取り入れることができるため常に新鮮な空気を供給することができますが、真夏や真冬など屋内と屋外の温度差が激しい場合は熱いまたは冷たい空気を取り込んでしまうというデメリットがあります。今回は真夏の際はただでさへ暑い浴室内に屋外の熱い空気を取り込んでしまっていました。
そこで給気する先を屋外ではなく隣接した隣の部屋(屋内)にし、エアコンによって夏場は冷やされ冬場は温められた空気を浴室内に取り込むことにしました。またこの給気も換気扇を用いることで排気量に頼らずともしっかり送り込むことができます。

自然換気

換気扇などの動力を用いず、屋内外の温度差や風圧差によって自然と空気が流れることによる換気。
エネルギーを必要としないため経済的なことがメリットだが、換気量が調整できないことがデメリット。

機械換気

換気扇などの動力を用いて、強制的に空気の流れを作って行う換気。
排気量を調整してしっかり換気することがメリットだが、エネルギーを必要とするためコストがかかることがデメリット。排気も給気も機械を用いる「第一種」、給気に機械を用いる「第二種」、排気に機械を用いる「第三種」がある。

排気と給気

給気用換気扇
給気用に設置された換気扇(隣接した部屋側)

今回は浴室という排気が必要な(湿気や熱気がこもりやすい)空間でしたので、屋外に排気するための換気扇を増設。しかし排気のみ増やしても扉や窓の隙間から入り込む給気量には限界がありますので、給気用の換気扇(または給気口)を設ける必要があり、この給気に隣接した部屋の空気を利用するために換気扇を設置しました。
施工させていただいたお客様からは「空調された隣の部屋の空気が入ってきたことで涼しくなり、だいぶ改善されました。冬は逆にとても寒いため、暖かい空気が入ってきてこれからの時期の問題も改善されそうで良かったです」と喜びの声をいただきました。
今回のように設計上は必要な給排気ができていても、その空間で快適に過ごせるとは限りません。換気扇の増設というちょっとしたリフォームで快適な空間に近づけることもできるのです。
お家のこと、お部屋のこと、店舗・テナントのことでお困りのことがございましたら、ぜひお問い合わせください。

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